【管理・VBAだけでも需要あり】組込みソフトエンジニアに必要なスキルは?

転職

独立系SIerが実施する開発は顧客によって内容が変わってきます。仕様分析・設計などの上流工程から開発を行うケースや、評価業務のみのケースなど案件の種類も数えきれないほどあります。
会社内で同じ部署のメンバであっても担当しているプロジェクトが異なると開発環境・言語が全く異なる状況が日常的に発生しています。

どのような開発内容でも対応できるように幅広い分野の知見がないとエンジニアとして通用しないわけではありません。開発の基本的な考え方はどの分野であっても共通することが多く応用が利くのです。

今回はユーザーからの1次受けで組み込みソフトウェア開発業務を行うにあたり、持っていると喜ばれる知見やスキルについて実例を交えて記載します。

この記事はこんな人におすすめ

  • 組み込みソフトウェアエンジニアの必要スキルが知りたい人
  • 組み込みソフトウェア開発に必要な言語情報が知りたい人
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前提:組み込みソフトエンジニアは慢性的に不足している

IPAによる2018年度組込みソフトウェア産業の動向把握等に関する調査によると組み込みエンジニア技術者不足が続いている状況がわかります。

昨今のIOTやAIブームによって世の中にある製品の殆どに組み込みシステムが使われていますので、必然的にエンジニアの需要は増えており、この流れは今後もしばらくは続くでしょう。

一つ重要なことは企業が求めているのは、コーディング専門のプログラマではなくシステム全体を俯瞰して考えるスキルや新規分野に参入するための専門知識であるということです。

では具体的にどのような知見やスキルが求められているのか説明します。

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開発環境に関する知見

特定の製品開発に必要な知見を持っているエンジニアを見つけるのに苦労することは多いです。
マイコンやOSの使用方法、開発環境の構築方法、デバッグ機能の使用方法など、それらを使用して開発を行っているエンジニアからすると当たり前の基本知見であっても、未経験者からすると全くわからないので知見が求められます

組込み開発の分野ではこのような状況が発生することが多く、特に新規分野における開発環境はネットで調べても情報が少ないので使い方が適切でないことが原因で低い生産性となってしまう場合もあります。

普段何気なく使用しているツールの知見など、作業場所が変わっても環境が構築出来て使用可能な状態まで持っていけるように意識して作業を行いましょう。

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管理経験

プロジェクトリーダーやPMといった管理業務の経験者は需要があります
工数見積もりを行いスケジュールを立案、適切なメンバアサイン、進捗・工数管理など、管理業務として必要な作業はとても多く、また管理に関する明確な最適手法は存在せずケースバイケースなので育成がとても難しい分野でもあります。

スケジュール立案のスキルを持っているメンバがいると、納期遅延のリスクが低くなることにつながるのでユーザー企業からは求められるスキルになります。

経験の少ない若手エンジニアでも自身の作業管理をすることで管理力のトレーニングをすることが可能です。独自のノウハウを考えられるように意識して日々の業務を行いましょう。

コミュニケーション力

組み込みソフトエンジニアはソフト部門のメンバ以外にハード、電気など多くの部門とやり取りを行う可能性があります。
管理者としてプロジェクトに参画している場合は、ユーザー製品開発の責任者と話をすることもあります。

このような状況で必要なのはコミュニケーション力です。プロジェクトの状況やリスク・課題の共有を確実に実施する必要があるので、論理的な組み立てで開発状況を把説明できることが重要になります。

普段の業務で何か報告をする場合は、結果を述べてから理由や経緯を話す癖をつけるなど、相手に対する伝え方のノウハウも持っているだけで武器になります。

C言語知見

まずはプログラミング言語人気ランキング2020(日経×TECH)を紹介します。

プログラミング言語人気ランキング2020(日経×TECH)

AIやWEB開発に関連する言語(Python、JavaScript、HTML/CSS)の勢いが増していますが、組み込み製品開発ではC言語の需要は非常に高いです。これは各社で持っている昔からの開発資産がC言語で作られていることも理由にあると考えられます。

組み込み開発におけるC言語はPC上で開発するC言語とは異なり色々な制約があります。文字列を1文字出力させるだけでも仕組みを考えなければなりません。
他分野のIT開発経験のある方が組み込み製品の開発に移ってきて苦労するケースもよく見られます。

組み込みC言語で開発ができると殆どすべての製品開発ができることになります。

  • 自動車
  • 医療機器
  • オフィス製品
  • 携帯電話
  • 家電
  • etc

何の言語を取得しようか悩んでいる方はまずはC言語を理解しましょう。

エクセルVBA

C言語の項目でも触れましたが、各社が持っている昔からの開発資産というのはとても重要なものです。
機能を追加した新モデルの製品を開発する際は、この開発資産を用いて追加機能の部分だけ実装することで効率的な開発を実現します。

この開発資産にエクセルによるツールが関わることが非常に多いです。
例えば、製品の設定値を定義するファイルをエクセルのツールで自動生成しているケースや評価項目をエクセルで自動生成しているケースなどがあります。

共通しているのはVBAで何かしらの作業を自動化していることです。
近年様々な自動化ツールが世の中に出ています。プログラミングが出来なくても制御ロジックを組み立てることでソースを作ってくれる環境が増えました。

こういった環境を採用している製品開発でも一部のコードはエクセルで作っていることもあります。
組み込みエンジニアにとってエクセルは仕様書作成からコーディングまで行える万能ツールです。

プログラミングはできなくてもエクセルVBAが出来るだけで仕事がもらえる場合もあります。
エクセルはどの現場でも必ず存在するアプリなのでVBAを取得しておいて損はありません。

まとめ

組み込みエンジニアは不足傾向なので仕事が無い状況になる可能性は低いです。
プログラミングが出来るだけでは他のエンジニアとの差別化がつかないので、プラスアルファの知見やスキルを身に着けることで仕事の幅が広くなります。

皆さんが日ごろ使用している開発環境をほかの現場でも使用できる知見を持っているか、様々な管理を意識的に行えているかなど少し考え方を変えて業務を行うことがエンジニアとしての市場価値を高めますので実践してみてください。

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