国税庁が発表している「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると、日本人の平均給与は約458万円です。
IT業界は高残業で低年収のイメージがある方もいるかもしれませんが、実際はそんなことはありません。
本記事ではIT業界の中で独立系SIerに焦点を当てて、年収500万を達成する方法を説明します。
この記事を読むと以下を知ることが出来ます。
- 独立系SIerで年収500万円を達成する方法
- 年収ごとの仕事内容
IT業界の平均年収

「IT関連産業の給与等に関する 実態調査結果 (ndl.go.jp)」より、IT業種全体の平均年収は約660万円です。
日本人の平均年収を大きく超えていることが分かります。業界全体でエンジニア不足の状態が長期間続いており、1次受けだけでなく2次受けや3次受け業務でも比較的高単金で仕事ができる環境にあることも要因の1つです。
年収に関する詳細な情報は以下の記事を参照ください。
ITエンジニアが年収を上げる方法は?実績からのおすすめポイントを6つ紹介 – サトカサマガジン (satokasa-magazine.com)
独立系SIerの年収事情

独立系SIerの場合、多くは受託や派遣プロジェクトの売り上げが会社の売り上げの殆どを占めます。
プロジェクトの売り上げは参画メンバの単金で決まります。大手の1次受けメイン企業以外のケースでは1人当たりの単金平均が100万円を超えることは殆どありません。
仮に一人当たりの平均単金が90万円だとすると年間の売り上げは90万×12で1,080万円です。
原価率を70%とした場合、1080万×0.7=756万円がプロジェクトの原価となり、ここに社員給与や協力会社メンバの単金などが含まれます。
プロジェクト原価がそのまま社員年収になることはありえないので、受託・派遣業務がメインのSIer企業で年収1000万になるのがとても難しいことがわかります。
年収500万円を目指す方法

ここではSIerが年収500万円を目指す方法を紹介します。
役職を上げる
一般社員から役職が上がることで年収もあわせてあげることが出来ます。ただし、役職を上げるには会社から実力を認められる必要があるので、難易度は高いです。
会社によってさまざまな役職がありますが、ここではその一例と年収を紹介します。
- 課長
課全体の運営が主業務でプロジェクトには余り関わることが少ない。
お客様訪問や引き合い獲得のための営業も行う。
平均年収は900万円~1000万円程度。 - 主任
複数のプロジェクトをまとめて管理する。
顧客先に常駐している所属企業の代表者的立ち位置で顧客と接することが多い。
顧客折衝や現場での引き合い獲得に向けた営業活動、各チームの状況管理を主に行う。
平均年収は650万円~800万円程度。 - リーダー
1つのプロジェクトを管理する。
顧客先のプロジェクト代表者と関わることが多い。
プロジェクトに関する進捗・工数管理と開発業務を行うので多忙である。
若手の育成も求められる。
平均年収は500万円~550万円程度。 - サブリーダー
1つのプロジェクトが10人近い人数の場合、リーダー1人では全てを管理することが難しいのでサブリーダーを配置することが多い。
リーダーの補佐業務を行い、現場での技術責任者も兼ねる場合もある。
開発業務割合の方が多く、自社の生産物の品質責任を負うこともある。
平均年収は450万円~500万円程度。 - 一般
1つのプロジェクトで機能開発や評価など特定の業務を担当する。
各種開発業務をメインで行い、顧客との絡みは比較的少ない。
平均年収は300万円~500万円程度。
役割手当をもらう
役割による報酬は手当扱いとなるケースが多いです。これによって年収で15万~20万円程度上積みが出来ます。
ここではとある企業の事例を紹介します。
- プロジェクトマネジメント
社内でPMとして認定されると月に1万円~1.5万円の手当が支給されます。 - リーダー代行
役職が一般の社員がプロジェクトのリーダー的立ち位置で業務を行うと月に1万~1.5万円の手当が支給されます。 - 資格手当
プロジェクトに関係なくても会社指定の資格を取得すると資格ごとに決められた手当が毎月支給されます。
残業手当をもらう

昔は納期前の徹夜は当たり前、月の残業も100時間越えが多発という状況でしたが昨今の働き方改革の考えが業界全体に少しずつ浸透しており、残業時間は減少傾向にあります。
週に1~2回はノー残業デーにする、などのメリハリをつけることも多いです。
しかし、平均して月に10~20時間程度は残業があることが多いので3万円~5万円程度は残業代として支給されます。
これによって年収で35万~60万円程度上積みが出来ます。
特殊な役割を担当する
会社内の他メンバには無い、自分だけがスキルを持っている状況を作り出すと特殊な役割として仕事ができるようになり、結果的に年収アップが狙えます。
例えば、以下の事例があります。
- 高い英語力を身につけることでオフショア開発の中心メンバになる
- セキュリティなど世の中が関心の高い重要スキルを身につけ、関連案件の引き合い担当になる
- 最新技術情報を入手し、技術営業として引き合い獲得に貢献する
難易度は高いですが、自身のやる気があれば実現の可能性が高くなるのでお勧めです。
転職する
様々な対応をしても年収アップが実現できない場合は、転職することが一番の近道になります。
エンジニア不足の状況が続いていることにより、転職が成功する確率も上がっています。
また年収アップも実現できる可能性が高いです。
まとめ
- IT業界全体の年収は一般職種の年収より高め
- 独立系SIerで年収1000万円は難しいが、500万円は様々な方法で実現可能
- 役職を上げる、役割手当や残業手当で上積みすることが重要
- これらを実践しても500万円に届かない場合は、転職することがおすすめ
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